象の上から 第2号

『ぞうのマメパオ』制作レポート/岡野大嗣『音楽』/『奇奇怪怪明解辞典』
藤岡拓太郎 2022.02.27
誰でも

こんにちは、藤岡拓太郎です。象の上から失礼します。

先日、郵便局にて荷物を差し出して料金を払い釣り銭を待っていると、レシートと「うまい棒」が載ったトレイが戻ってきました。これがお釣りかと思い、嘘っしょと叫びそうになりましたが、レシートの陰に小銭が見えたことで、うまい棒はキャンペーンの配布品であると理解しました。叫ばなくて本当によかったです。この喜びを抱きしめて生きていきます。戦争に反対します。

絵本『ぞうのマメパオ』の作業がようやくひと段落しました。なかなか決まらん、と前号で言っていたカバーイラストは、1月末に無事描き上がりました。しかしその後がまた大変で、実は今回『たぷの里』に続き、再び自分で装丁を担当することになりました。『たぷの里』の時は、もう、カバーもオビも要らない、たぷ!それだけ!という感じだったので、タイトルの位置なんかもすんなり決まってほとんど苦労しなかったのですが、今回はめちゃくちゃ悩みました・・・。カバーに採用したもの以外のイラストやデザインも今後このメルマガで載せようと思うので、また見て下さい。何十パターンと作りましたが、正解が見つからない、というよりはどれも正解に思えて、なかなか決めることができず。

編集担当のナナロク社・村井さんと毎日LINEで相談し、2月中旬にようやくカバー、オビ、表紙(本体)、本文(中身)、見返し(本をめくってすぐのところ)、など全てのデザインが終わりました。デザインが終わったといっても、僕は「illustrator」等のソフトを全く扱えないので、印刷用のデータに仕上げることができません。どうするかというと、まずWindowsの「ペイント」とかでレイアウトを作ります。「ペイント」の扱いだけは任せて頂きたい。そして書体や色や用紙は、手持ちの本の中からイメージに合うものを探し、「こんな感じでお願いします」と一つ一つ指示を出します。指示を受けて実際に印刷用のデータに仕上げてくれているのは、ナナロク社の村井さんやスタッフさん、組版(くみはん)担当の方。印刷所の担当者と連携しながら行って頂いています。

そんなこんなで、今回もまた、申し訳ありません、発売日が延びてしまいました。一回も予告通りに発売できたことがない気がする。2月を楽しみにして下さっていた皆様、すみません。今回、ナナロク社の皆さんはかなり丁寧に仕事を進めてくれています。いやナナロク社が丁寧じゃなかったことなんてないのですが、いつも以上にそう感じます。ぞうのマメパオ、すごい本になると思っています。本が出来上がるのは3月末を予定しているので、書店には4月の初めごろから徐々に並ぶはず・・・引き続き楽しみにして頂けると嬉しいです。表紙のデータは間もなく完成しますので、近日中にこのメルマガやTwitterで発表します。

岡野大嗣さんの最新歌集『音楽』の中に、めちゃくちゃ好きになってしまった短歌がありました。


ボウリング場の横方向の抜け それをボウリングよりも好きだ


今までこんなことを発見して言葉にした人がいるんでしょうか。この歌を読んで、自分も何かないかと考えてみたところ、一つありました。昔の映画の冒頭の、黒みに浮かび上がるタイトルクレジット(キャストやスタッフの名前など)が微妙に震えていること、あれが映画本編よりも好き。という場合もあります。キレが悪いな。岡野さんのボウリング場の発見にはかなわない。『音楽』、ぜひ読んでみてください。ところで、岡野さんはいつも虹色鉛筆を使ってカラフルなサインを書かれているのですが、僕はこないだまで虹色鉛筆というものがあることを知らず、この人はいつも色鉛筆を一本一本持ち替えながらサインを書いているのだ、と思い込んでいました。何年もそう思っていたもんで、今でも頭に浮かぶ岡野さんは、色鉛筆を一本一本持ち替えてサインを書いています。

昨年『大丈夫マン 藤岡拓太郎作品集』を刊行してすぐの頃、『大丈夫マン』および藤岡拓太郎について、どうかと思うぐらい熱く深く語ってくれたポッドキャスト番組がありました。その時嬉しかったのは勿論のこと、このポッドキャスト自体がえらく面白くて、ラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(現「アフター6ジャンクション」)やブログ「青春ゾンビ」を初めて見つけた時のような喜びがありました。Dos MonosのTaiTan氏とMONO NO AWAREの玉置周啓氏によるポッドキャスト「奇奇怪怪明解辞典」は、毎回主に二人が最近見た映画、テレビ、お笑い、本などを紹介し、考察を深めていくこともあれば、超どうでもいい方向に脱線していくこともある、いずれにせよずっと耳を傾けていたくなる、一言でいえば最高の雑談番組です。そんな奇奇怪怪が先日書籍化され、毎晩読んでおります。ほんとの事典ぐらいあるので全然読み終わりません。

書籍版にも収録されている中から、おすすめの回を選びました。ぜひ聴いてみてください。↓

そして先日、「奇奇怪怪明解辞典」のお二人からBRUTUS WEBの鼎談企画にお誘い頂いて、主に「笑い」についてあれこれ喋ってきました(LINEを使ってチャット形式でのトーク)。全然足りなかったのでまた話したい。とても楽しかったです。読んでみてください。

「奇奇怪怪明解事典」× ギャグ漫画家・藤岡拓太郎 | 
BRUTUS WEB

前編〜「笑い」の原体験をたどる旅
https://brutus.jp/kikikaikaiziten_podcast01/?heading=1

後編〜「笑い」は海を越えられるのか? 
https://brutus.jp/kikikaikaiziten_podcast02/?heading=1

ところで、以前「ギャグ漫画の話」というブログを公開しましたが、近々このメルマガでも、これからギャグ漫画を描いてみようという人に向けて、自分ができるアドバイスを書けるだけ書いてみようと思っています。もし何か聞いてみたいことがあれば「takutaroアットマークoutlook.com」まで、件名「質問ゾウ」でメールを下さい。ギャグ漫画の作り方に限らず、漫画の発表方法とか、担当編集者に関する悩みなどに関する質問でも大丈夫です。できるだけ頑張って答えます。

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【突然のメガネあるある】
メガネの汚れを確かめるとき、汚れが見えやすいように黒めの背景を探す

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えー、前号の時よりも更に、勘弁してくださいよという状況になっていますが、自分の心が壊れてしまわない範囲で、できることをやっていきたいなと思います。また次号でお会いしましょう。マメパオの表紙、楽しみにしていてください。

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〇本日のエンディング曲

中島みゆき「蕎麦屋」

公式音源がなかったので歌詞を貼ります
https://j-lyric.net/artist/a000701/l00f560.html

こちらのライブアルバムのバージョンが特に好きです

斉藤和義によるカバー
https://open.spotify.com/track/10OP453muo6wJR484kDS6c?si=3768cadb363f4112

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